大判例

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東京高等裁判所 平成3年(ラ)595号 決定

抗告人は、本件文書は遺言書の要件を備えていないから民事訴訟法三一二条三号前段のいわゆる利益文書に該当しない旨主張するが、本件文書が右利益文書にあたるというためには、本件文書の内容が相手方の利益のため作成されたものであり、かつ、一応遺言書の様式を備えていると認められれば足り、それが完全に遺言書の要件を具備しているかどうかは問わないものと解するのが相当である。けだし、本件文書が要式文書である遺言書の要件を具備しているかどうかのごときは、本件文書を現実に見て検討しなければ判断のできない事柄であり、しかも、この判断を本件文書の所持者である抗告人にのみ委ねることは相当でないからである。そして、原審認定の事実からすると、本件文書が右の内容及び様式を備えていることは明らかであるから、本件文書は右利益文書にあたるものというべきである。

(石井 井上 橋本)

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